遺品整理の悪質トラブル【騙されないコツを業界12年のプロが紹介】


最終更新日:2022年08月03日


遺品整理で悪質なトラブルに巻き込まれたくない方へ。


悪質業者の手口が知りたい。


騙されない方法や注意点が知りたい。


トラブルに巻き込まれたらどうしたらいいのか。


と不安に思うことはありませんか?


ここでは下記の内容を当社の実例と経験もまじえて分かりやすく解説します。



 

このお役立ち情報を書いている私は業界の経験約12年。


遺品整理・特殊清掃会社の経営者です。遺品整理・特殊清掃の対応は12年で合計9100件以上。経験談と実績に基づき執筆していますので、少しはお役に立てる情報が書けるかと思います。





悪質業者の5つの手口とトラブル事例


遺品整理業者にトラブルにあったという方から直接話を聞く機会は少ないのが現実でしょう。


「騙されてしまった」というのが恥ずかしいという気持ちから人に話せなかったり、「もう終わったことだから…」とあきらめてしまう方が多いからです。


よくある遺品整理でのトラブル事例を実例を交えて5つご紹介いたします。





高額請求・不当請求


一部の悪質な遺品整理業者がお客様に対して高額請求や不当請求をしています。


遺品整理業者を利用したことが周りにいない点や料金体系もわかりにくい点に悪質な業者は付け込んでくるからです。


料金でのトラブルは高額請求や追加料金の2つに分けられ、どちらも適正価格からは大きく外れていたり、支払わなくてもよい金額であることが多いです。


利用者は聞いたことがないような追加料金であっても「そういう料金もあるのかな?」と、疑問に思いながらも支払わせるのが悪質な業者の手口です。


「不当請求の例」

  • 見積もり料金…見積もり無料とホームページに記載があるのに、契約しないとわかった途端、「訪問見積もりは有料」と請求される

  • オプション料金…養生料金や駐車料金、作業料金など聞いていない料金を請求される

  • 当日の追加請求…勝手にスタッフを追加し、追加料金を請求される






雑な作業


悪徳業者による雑な作業によって、権利書や現金など資産が捨てられてしまうトラブルもあります。


悪徳業者ではかけるべき経費や時間を使っていないため、作業の質が悪くなってしまうからです。


段ボールに入っている書類を確認せずそのまま捨ててしまったり、買取対象の家電やアクセサリー類の査定すらしないこともあります。権利関係の書類がないと、その後の相続手続きも複雑になってしまいます。


遺品整理での作業には家の広さと遺品の多さに比例して、時間と人員が必要です。どちらか1つでも欠けてしまうと遺品の仕分けが雑になり、権利書類や思い出の品を廃棄されてしまうことにもなりかねません。





盗難・買いたたき


遺品整理作業に盗難されたり、買取希望でないものが強引に押し買いされたというトラブルも後を絶ちません。


「何がどこにあるか」を依頼者が遺品の把握をしていないことを利用して、目を盗んで、現金や貴金属などすぐに現金化できるものを盗んでいってしまうからです。


「盗難や買いたたきの例」

  • 形見分けのために残してほしいと希望した貴金属が見つからない

  • 本来の市場価格の10分の1以下で貴金属が強引に買いたたかれてしまう


悪徳業者は共通して口が上手く、「今の市場価格だと…」「業界的には相場です」など根拠のない理由を並べて説得してきます。






強引な営業


悪質な遺品整理業者から強引に契約させられてしまったというトラブルもあります。


遺品整理の料金は家の大きさや物の多さによって料金が決まるため、知識のない依頼者は提示された金額が正しいのか判断できない状況です。


相見積もりや他の親族の意見が入ると、契約が取れなくなってしまうリスクがあるので、悪徳業者では初回見積もりで強引に印鑑を押させようとします。



「契約を焦らす例」

  • すぐに契約しないと予約が埋まってしまう

  • 仮契約だけでも…といいキャンセルできない

  • 訪問見積もりに来た時点で契約したこととして話を進める






不法投棄


回収した遺品を山奥や空き地に不法投棄する悪徳業者も存在します。


悪徳業者の9割以上は遺品整理に必要な許可や資格を持っていないため、ゴミの処分ができないからです。


提携しているごみ処理場でゴミを処分したり、貿易会社で遺品をリサイクルするのが正しいルートですが、悪徳業者は会社としての信頼がないため契約もできません。


不当な利益を得るためにごみの処分費用を支払わず、不法投棄している可能性もあります。


不法投棄は依頼した側にも責任が問われる犯罪行為です。


「不法投棄の罰則」

  • 個人の不法投棄…5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方

  • 法人の不法投棄…3億円以下の罰金


悪質な業者の特徴5つ


悪徳業者には共通する特徴があります。


これからご紹介する特徴に1つでも当てはまれば、遺品整理を進めていくうえでトラブルに発展する可能性が高くなります。





料金が不明瞭・安すぎる


悪徳業者の見積もりは内容が不明瞭だったり、他社よりも安すぎるという特徴があります。


悪徳業者は後から料金を追加請求することを前提として見積もりをしているため、その場で契約させることだけを目的としているからです。


明らかに足りない車両台数やスタッフの数を見積もりで出すこともあります。


「悪徳業者の追加料金例」

  • 車両費の追加

  • スタッフの追加

  • 超過時間料金


作業当日、スタッフや車両台数を突然増やして訪問するため、依頼者は断れない状況へと追い込まれてしまいます。






見積もり時の説明が雑


訪問見積もりの際に料金、作業の流れなどの説明をしないのが悪徳業者の特徴です。



\説明が少ない理由/

  • 遺品整理業者に知識がないこと

  • 説明できない事情があること


この2つで、遺品整理の流れや何にいくらかかるのかを把握していなければ見積書に詳細を書くこともできません。


買取の相場を常にチェックしている業者でなければ、買取対象を見つけることも正しい価格をつけることもできないということです。


盗難や買いたたきなどが前提となっていて料金が安いこともあり得ます。







無許可・無資格


無許可や無資格の遺品整理業者の9割以上は悪徳業者です。


一般廃棄物収集運搬許可がなければ正しいルートでの処分ができないので、不法投棄をする可能性が増えます。古物商許可がなければ遺品の買取ができないため、窃盗されるリスクも増えます。


一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者と提携している場合も問題ありません。


遺品整理時には「契約した業者」と「一般廃棄物収集運搬許可業者」の2つの業者が来て、ゴミの引き取りは一般廃棄物収集運搬許可業者が行います。


「遺品整理に必要な許可」

  • 古物商許可…遺品の買取に必要な許可。公安委員会に申請する必要あり。

  • 一般廃棄物収集運搬許可…家庭から一般ごみを回収するときに必要な許可。自治体が管理しており、取得できる業者数には制限がある。





スタッフの身なり・接客姿勢


悪徳業者のスタッフは身なりがだらしなく、接客態度からは誠意が感じられないという特徴があります。


そもそも遺品整理という仕事にプライドを持っていないでしょうし、学ぶ姿勢がないため遺品整理への情熱もかけています。


お客様と接するのに気だるい態度で見積もりを進めたり、お客様からの質問に対してめんどうくさそうに答える遺品整理業者は作業の質にも期待できません。遺品整理は高価格帯のサービス業です。





会社情報が少ない


公開している会社情報が少ない遺品整理業者は悪徳業者の可能性も高まります。


所在地が登録されていなかったり、資格や許可の届け出がない理由はいつでも逃げられる状態を作っているとも考えられるからです。


「こんな遺品整理業者に注意」

  • ホームページを持っていない

  • グーグルマップで確認できない

  • サイトに使われている写真がすべてフリー素材

  • 電話番号が携帯電話


遺品整理業者で失敗しないコツ


遺品整理業者に依頼して失敗しないために必要なことは、依頼者側も正しい知識を身に着けることです。


遺品整理業者並みの知識があれば、失敗する確率をぐっと減らせるようになります。


しかし、遺品整理にまつわる情報は少なく、インターネット上にあふれている情報から必要なものだけをピックアップして覚えるのは限界があります。


幅広い知識や経験がなくても遺品整理業者で失敗しないコツを3つご紹介します。





納得いくまで相談


見積もりや問い合わせの段階で気になったことは納得いくまで相談しましょう。


よい遺品整理業者は根拠に基づいて、わかりやすく説明してくれます。お客様の不安を取り除くことも遺品整理の業務の1つでもあるとわかっているからです。


「相談するといいこと」

  • 何に、いくらかかるのか…スタッフの人数やトラックの台数、ゴミの処分料金、供養料金など品目とそれぞれの単価を聞きます。

  • 買取対象外の理由…査定価格が付くブランドや状態について説明してくれます。

  • 作業の手順…作業当日の流れや支払いのタイミング、貴重品の捜索、キャンセル料金の発生する期日など






相見積もり


3社以上から相見積もりをすると自分の家の遺品整理の平均価格が分かります。


相見積もりでわかることは、適正価格だけではありません。スタッフの接客態度や作業の流れを比較できるので、自分の希望に合った遺品整理業者が見つかります。


相見積もりには料金を安くするという効果もあります。


遺品整理業者にライバル社の存在を伝えると、価格競争が起こるからです。


引っ越しや工務店と同様に複数社から見積もりをもらうことは失礼には当たりませんので、「この後〇社から相見積もりを予定している」と伝えましょう。


1社目であっても多めに値引きをした状態で料金を提示してくれます。





立ち合い必須


遺品整理作業時にはできるだけ、複数人で立ち会いましょう。


どんな悪徳業者であっても依頼者に見られている中では窃盗する確率はぐっと下がりますし、遺品の雑な扱い防止にもつながります。


遺品整理の作業では1部屋を1人のスタッフが担当します。3LDK以上のマンションや戸建ての場合には2名以上、できれば3名以上での立会が効果的です。





貴重品の把握


遺品整理業者に依頼する前に、依頼者が貴重品を把握しておくこともトラブル回避につながります。


あらかじめ貴重品を引き上げておくと「窃盗被害」を防ぐことができます。「家のどこにあるのはわからない」という状況であれば、貴重品の捜索を前提として依頼できます。


遺品整理先が遠方であるときや離れて暮らしている期間が長い方の場合には、親族から話を聞いて情報を得ておくのも一つの手です。


「貴重品の例」

  • 通帳や現金、貴金属

  • 書類…土地の権利書、実印、遺言書

  • 骨董品(壺やべっ甲、掛け軸など)…故人から価値があると聞いたという情報が頼りになります。





見積書と契約書の発行


遺品整理業者に依頼するときには見積書と契約書の発行をしてもらいましょう。


見積書、契約書は書面で正しい形式で発行してもらうと、トラブルになったときにも証拠として自分を守ってくれる武器や防具になるからです。


ただし、内容が適切に書かれていなければただの紙切れとなってしまいますので、発行してもらう時は以下の点に注意します。


「見積書と契約書のポイント」

  • 金額の詳細が書かれている…買取金額、割引額、基本料金

  • プランの内容が書かれている…スタッフ・トラックの台数、含まれるサービス

  • 最低限の情報…日付、印鑑が押してあること


見積書を契約書としている遺品整理業者もありますが、契約書と見積書は別物です。


見積書は金額や内容、日数など作業内容が書かれているもので、契約書は双方が内容に「同意して進めていきます。」という意味の書類になります。


金額が多くなるほどにトラブルの被害額は大きくなりますので、契約書を改めて発行してもらうことをおすすめします。



トラブルに巻き込まれた!3つの相談先


どんなに気を付けていても悪徳業者に関わってしまうこともあります。


悪徳業者であっても契約するまでは紳士的な対応をするなど手口が巧妙になってきているからです。


万が一、悪徳業者に関わってしまったときのために相談先をご紹介します。事前にトラブルに合わせた相談先を理解していれば、早く解決できるようになります。


被害によって相談先が異なりますが、共通して言えることは「不安を感じたら、すぐに相談すること」です。





国民生活センター


遺品整理時のトラブルは消費者庁管轄の国民生活センターに電話相談するのがおすすめです。


遺品整理業者とのトラブルに状況や内容に応じて、適切な判断と解決策を出してくれます。早めに相談することで新たな被害者を生まないことにもつながります。


「相談内容の例」

  • 何に、いくらかかるのか…スタッフの人数やトラックの台数、ゴミの処分料金、供養料金など品目とそれぞれの単価を聞きます。

  • 契約したのに作業日が決まらない

  • 解約しようとしたらキャンセル料を請求された

  • 消費者ホットライン

    電話番号:188(市外局番なし)
    受付時間:10:00から16:00(全日)
    通話料:有料





弁護士


金銭面でのトラブルで訴訟を起こすことを考えている時や国民生活センターで解決できないときには弁護士に相談してみます。


訴訟を起こし、法律に基づいて金銭を取り戻すことができる可能性が広がります。


法テラスのように相談だけであれば無料で受け付けている団体もあります。ただし、裁判や手続きを依頼するときには50万円未満の請求でも10万円以上の費用が発生します。


着手金や手続き費用を差し引いても採算が合うか確認してから利用するのがおすすめです。


法律相談援助:無料
電話受付:平日9:00〜21:00/土曜日9:00〜17:00





警察


遺品整理業者から犯罪行為を受けたときは、すぐに警察(110番)に通報しましょう。


緊急性と事件性が高いときには警察がすぐに駆け付けてくれ、その場で悪徳な遺品整理業者に対処してくれるからです。


「すぐに警察を呼んだ方がいい例」

  • 強引に契約を求められている

  • 遺品を盗まれている現場を目撃した

  • 脅しを受けている


緊急性や事件性が低い時や当てはまるのかわからないときは、警視庁の総合相談窓口に相談してみましょう。


警察相談ダイヤル:#9110






貴重品の把握


遺品整理業者に依頼する前に、依頼者が貴重品を把握しておくこともトラブル回避につながります。


あらかじめ貴重品を引き上げておくと「窃盗被害」を防ぐことができます。「家のどこにあるのはわからない」という状況であれば、貴重品の捜索を前提として依頼できます。


遺品整理先が遠方であるときや離れて暮らしている期間が長い方の場合には、親族から話を聞いて情報を得ておくのも一つの手です。


「貴重品の例」

  • 通帳や現金、貴金属

  • 書類…土地の権利書、実印、遺言書

  • 骨董品(壺やべっ甲、掛け軸など)…故人から価値があると聞いたという情報が頼りになります。





見積書と契約書の発行


遺品整理業者に依頼するときには見積書と契約書の発行をしてもらいましょう。


見積書、契約書は書面で正しい形式で発行してもらうと、トラブルになったときにも証拠として自分を守ってくれる武器や防具になるからです。


ただし、内容が適切に書かれていなければただの紙切れとなってしまいますので、発行してもらう時は以下の点に注意します。


「見積書と契約書のポイント」

  • 金額の詳細が書かれている…買取金額、割引額、基本料金

  • プランの内容が書かれている…スタッフ・トラックの台数、含まれるサービス

  • 最低限の情報…日付、印鑑が押してあること


見積書を契約書としている遺品整理業者もありますが、契約書と見積書は別物です。


見積書は金額や内容、日数など作業内容が書かれているもので、契約書は双方が内容に「同意して進めていきます。」という意味の書類になります。


金額が多くなるほどにトラブルの被害額は大きくなりますので、契約書を改めて発行してもらうことをおすすめします。



まとめ


 

いかがでしたでしょうか?


遺品整理業者とのトラブルは知られていないだけで、手口も多く、相談件数も増え続けているのが現実です。


どのトラブルも共通して依頼者からお金や時間を奪い、遺族に深い悲しみを与えていきます。


この記事が不安を抱えている方の目に留まり、少しでも参考になれば嬉しいです。


直接のご相談も無料で受け付けていますので、本当に困ったから相談にのって欲しい!とゆう方は田中をご指名のうえでお問い合わせください。